散華の麗人
少しの沈黙があった。
「陛下」
沈黙を打ち破ったリアンは言葉を発した。
「貴方は国王。最も気高き身分にありますれば。……兵など捨て駒に過ぎませぬ。」
「リアン」
一正は低く呼んだ。
「陛下はお優しい。しかし、そう思わなければこの世を治めることができない。」
「だからと言って、人を駒としか見ず、自分の責任から逃げろと言うんか!!……あんたは軍師としてそれなりの経験はあるはずや。あんたが見てきた中で、そんな愚かな奴が成功した試しがあるか?」
「成功、ですか。」
その言葉にリアンは目を細めた。
「貴方は何を以てして成功と言いますか?天下を統べることですか?それとも、力を手に入れること?」
「いや。民の為に泰平な世を築き、国王で居続けることができたかという意味や。」
一正は答えた。
リアンは馬鹿にしたように笑んだ。
「居続けることは不可能ですよ。」
吐くように言う。
「……日ノ本という国に“猛き者も遂には滅びぬ”という言葉があります。どんな者も永遠など存在しません。いずれは滅びます。」
リアンは淡々と言いきった。
「それに、命には限りがある。」
ハッキリと言う。
「貴方は理想的すぎる。」
「わしは」
「陛下……いえ。一正殿。この際、友人として話しましょう。」
リアンが見ると、一正は頷いた。
「貴方のその甘さはこの国に滅びを招く。兵を重んじ、民の為と動いて、戦に支障をきたせばこの国は滅ぶ。その犠牲になるのは他でもない……民や兵なのですよ。」
「わかっている!!でも……だからと言って、捨て駒として扱うことが許されるとでも」
「陛下」
リアンに掴みかからんばかりの一正を、今度は風麗が静かに呼んだ。
「陛下」
沈黙を打ち破ったリアンは言葉を発した。
「貴方は国王。最も気高き身分にありますれば。……兵など捨て駒に過ぎませぬ。」
「リアン」
一正は低く呼んだ。
「陛下はお優しい。しかし、そう思わなければこの世を治めることができない。」
「だからと言って、人を駒としか見ず、自分の責任から逃げろと言うんか!!……あんたは軍師としてそれなりの経験はあるはずや。あんたが見てきた中で、そんな愚かな奴が成功した試しがあるか?」
「成功、ですか。」
その言葉にリアンは目を細めた。
「貴方は何を以てして成功と言いますか?天下を統べることですか?それとも、力を手に入れること?」
「いや。民の為に泰平な世を築き、国王で居続けることができたかという意味や。」
一正は答えた。
リアンは馬鹿にしたように笑んだ。
「居続けることは不可能ですよ。」
吐くように言う。
「……日ノ本という国に“猛き者も遂には滅びぬ”という言葉があります。どんな者も永遠など存在しません。いずれは滅びます。」
リアンは淡々と言いきった。
「それに、命には限りがある。」
ハッキリと言う。
「貴方は理想的すぎる。」
「わしは」
「陛下……いえ。一正殿。この際、友人として話しましょう。」
リアンが見ると、一正は頷いた。
「貴方のその甘さはこの国に滅びを招く。兵を重んじ、民の為と動いて、戦に支障をきたせばこの国は滅ぶ。その犠牲になるのは他でもない……民や兵なのですよ。」
「わかっている!!でも……だからと言って、捨て駒として扱うことが許されるとでも」
「陛下」
リアンに掴みかからんばかりの一正を、今度は風麗が静かに呼んだ。