散華の麗人
道場というには寺子屋に近い敷地で4人の弟子と風麗、そして師範と6人で暮らしていた。
そんなある日、柳と名乗る少年と家老が来た。
『“天狗”よ。』
『おや。まだそんな二つ名を言うとは。』
師匠は家老に笑う。
『今は嘗ての武勇など失せてますよ。唯の秋月という師匠です。』
『ふん、高い下駄に今も衰えぬ実力。……先日、此処に来た賊を追い払った話は巷で有名だぞ。』
『そういう貴方こそ、有名ですよ?』
2人の会話に風麗は興味なかった。
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