散華の麗人
少し歩いて、リアンは立ち止まり、天へ手を伸ばした。
(我が手中に天下を)
拳を握り、強い野望を露にした。
「………さて、大きな戦への第1歩です。」
(全て、自分で取り返す。)
そう言うリアンを月夜は黙って見ている。
「月夜。貴方はただ黙って僕に着いてくれば良いのですよ。」
リアンが言うと月夜は笑った。
「裏切りは許しません。」
その言葉に月夜はコクリと頷いた。
そして、リアンを見る。
“あなたもね”
そう言っているようだ。
リアンはその視線を受け取り、前へ進んだ。
「この戦、戦果を上げなくてはね。」
リアンは笑う。
やがて、その笑い声に月夜の笑い声が重なった。
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