散華の麗人
風麗は心当たりがなさそうだ。
「初めて仕える主に国王を選ぶなど愚かだという風に言っていたぞ。」
「……その当時に仕えたのは、八倉家やないか?」
一正は思い出したように言う。
「確か、細川国が奏国に国王護衛の傭兵を送ったと資料があった。分城の倉庫にあるから、定かやないが。」
「八倉家?」
雅之は考えこむ。
「今の次期当主がそのような任務に就いていたな。……だが、国王ではなく、国王の側近を守っていたと聞く。第一、初めてではないし、“麗人”とは呼ばれていない。」
「側近。……確か、奏国王がもし使い物にならなかった時の為の次期国王候補と言われる者やな。奏国王はそんなこと言わなかったが、わしらでは有名な話や。」
一正は言う。
「初めて仕える主に国王を選ぶなど愚かだという風に言っていたぞ。」
「……その当時に仕えたのは、八倉家やないか?」
一正は思い出したように言う。
「確か、細川国が奏国に国王護衛の傭兵を送ったと資料があった。分城の倉庫にあるから、定かやないが。」
「八倉家?」
雅之は考えこむ。
「今の次期当主がそのような任務に就いていたな。……だが、国王ではなく、国王の側近を守っていたと聞く。第一、初めてではないし、“麗人”とは呼ばれていない。」
「側近。……確か、奏国王がもし使い物にならなかった時の為の次期国王候補と言われる者やな。奏国王はそんなこと言わなかったが、わしらでは有名な話や。」
一正は言う。