散華の麗人
父の形見、自分にとっての家族の証だ。
「愚かですね。」
そう自嘲する。
「大体、陛下が雇った傭兵全てがあちら側につくなんて、不自然です。本来ならば本城の兵と同じく、平等に配属されるべきなのですから。」
「ふーむ。」
陸羽は唸った。
「だから、狐は此処に居るのですよ。」
「苦労かけるな。」
「思ってないくせに。」
「バレてしまったか。」
笑う狐子に陸羽も笑い、暫し談笑した。
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