散華の麗人
途中で敦賀に会った。
帰ってくる所だったらしい。
「茶々?どうした。」
「早く行かなければ……」
茶々は敦賀に取り合わずに走り去ろうとしたが、追ってきた風正に手を掴まれた。
「貴様は馬鹿か!」
罵声に茶々は怯まない。
「誠に、1人で行くつもりか?」
「はい。そう書かれてありますから。」
「しかし、貴様を殺そうとする奴の罠かも知れぬぞ。」
茶々は風正に首を振った。
「もし、私を狙うのであれば、暗殺するという手段もあります。身分上でも能力面でも、そちらが手っ取り早いでしょう。わざわざ文を出す意図が解りません。……仮に、この文が私をおびき寄せる為のものであっても」
茶々はそこで言葉を止めて風正を見た。
「私は行きます。一縷でも、婆様のことを知れる可能性があるのなら。」
「そのような話を鵜呑みにするのは」
「それでも!!私は今でも婆様が大切なのです。」
その言葉に2人は俯いた。
(まだ幼い子供……立て続けに大切なものを失った辛さは計り知れない。)
敦賀は茶々にそっと手を延ばした。
帰ってくる所だったらしい。
「茶々?どうした。」
「早く行かなければ……」
茶々は敦賀に取り合わずに走り去ろうとしたが、追ってきた風正に手を掴まれた。
「貴様は馬鹿か!」
罵声に茶々は怯まない。
「誠に、1人で行くつもりか?」
「はい。そう書かれてありますから。」
「しかし、貴様を殺そうとする奴の罠かも知れぬぞ。」
茶々は風正に首を振った。
「もし、私を狙うのであれば、暗殺するという手段もあります。身分上でも能力面でも、そちらが手っ取り早いでしょう。わざわざ文を出す意図が解りません。……仮に、この文が私をおびき寄せる為のものであっても」
茶々はそこで言葉を止めて風正を見た。
「私は行きます。一縷でも、婆様のことを知れる可能性があるのなら。」
「そのような話を鵜呑みにするのは」
「それでも!!私は今でも婆様が大切なのです。」
その言葉に2人は俯いた。
(まだ幼い子供……立て続けに大切なものを失った辛さは計り知れない。)
敦賀は茶々にそっと手を延ばした。