散華の麗人
茶々が細川分城の裏にある山を歩いていると、女性の姿を見つけた。
「貴方は……」
与平太という男の屋敷で常に忙しく働いていた女房だ。
「お待ちしておりました。こなつでありまする。」
女性は深々と一礼した。
「婆様のことについて、何かご存知だとか。」
「……はい。」
こなつは少し俯いたが、茶々を真っ直ぐ見た。
「結論から申し上げますと。貴方の婆様の病を……こなつめが早ませたのでございます。」
「!?」
こなつに茶々は驚いた。
「何を言うのですか!!病は元からでした……何故、今更貴方のせいに」
「この、こなつが毒を盛ったのです。そして、病を悪化させた。」
「嘘だ!!」
茶々はこなつを睨みつけた。
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