散華の麗人
時は数時間、或いは数日前に遡る。
どのくらいの時が経ったかわからない。
雅之が去った後、その場で立ち尽くしていると背後から何者かが来た。
遥葵はそれに気付くこともなく、易々と捕まった。
気配を察知することは普通の傭兵並には備わっているつもりだ。
相手は相当の実力者なのだろう。

自分でも間抜けだと思う。

溜め息混じりに自嘲した。

「気の毒に。」
嘲るような声がした。
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