散華の麗人
細川国王に仕えていると聞く。
同郷だが、面識はない。
いや、あってもその女が風麗だとはよくわからないだろう。
「よくわかんない。どんな人?」
思ったままに質問する。
「橙の髪の緑の目をした女だ。」
「ふぅん。」
(そういえば、この前柚木さんの屋敷近くで雅之さんと居た女……橙の髪だった。)
その女が散華の麗人だろうと遥葵は悟った。
橙の髪は竜華国の中でも珍しい髪色だからだ。
遥葵のように、赤髪の者や派手な髪色が多い竜華国でも橙は特殊だ。
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