散華の麗人
何故かは諸説ある。
王族の血統だとか、英雄の子孫だとか言われている。
確かに解ることは、その髪色の者は妖の血を強く引いているということだ。
「それで、捕まえて欲しいの?」
「そんな手荒な真似はしなくていい。」
そう言うと手紙を渡した。
「これを届けてくれればそれで。」
「簡単じゃん。」
遥葵は威張った態度をした。
「簡単だろう?」
相手は遥葵の顎を掴む。
「その代わり、しくじったら……一生不自由なままだ。」
そう言うと立ち上がって嘲る。
「お前なんかいつでも殺せる。さぁ、どうする?」
遥葵はそれを聞いて立ち上がる。
「やってやるわよ。」
そして挑戦的に笑った。
「そう来なくっちゃな。」
クスクスと相手は笑う。
< 745 / 920 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop