散華の麗人
直ぐに冷徹な表情へ変える。
「民を想う心は自尊心でしかない。綺麗ごとで飾ろうとする輩の考えだ。」
吐き捨てるように言う。
「風麗。あんたは聡明だ。……解っているのだろう?細川に未来はない。」
「戯言を。」
「陸羽派や他国との確執。今、そこの国王は四面楚歌に限りなく近い状況にある。」
そして間合いを詰めて見据えた。
「武力や権力が勝つこの世で情を優先する行為。……それが愚かだと解っているだろう?何故、見限らない。」
柳は嘲笑すると横目で一正を見た。
「わしは綺麗ごとで飾り立てる気はない。このやり方が反発を買い、自身の立ち位置を悪くすることくらい解っとる。」
一正は銃口を柳へ向ける。
「それでも」
「それでも、皆が笑える世をこの目で見てみたい。」
言葉の先を雅之が市女笠の人物へ短刀を向けて言う。
「思うことは同じ、か。」
市女笠の人物は楽しそうだ。
「僕としても、風麗にはこちらに来て欲しかったけれど。」
残念そうに言うと、市女笠を脱ぎ捨てた。
笑みを浮かべる表情は風麗と瓜二つだ。
長髪の橙髪は一瞬、女と見紛いそうになる。
「やっと、会えた。愛しいひと。」
恍惚とした笑みで風麗を見る。
その視界には雅之は無いようだ。
「!!」
風麗は初対面であるその顔に驚く。
「民を想う心は自尊心でしかない。綺麗ごとで飾ろうとする輩の考えだ。」
吐き捨てるように言う。
「風麗。あんたは聡明だ。……解っているのだろう?細川に未来はない。」
「戯言を。」
「陸羽派や他国との確執。今、そこの国王は四面楚歌に限りなく近い状況にある。」
そして間合いを詰めて見据えた。
「武力や権力が勝つこの世で情を優先する行為。……それが愚かだと解っているだろう?何故、見限らない。」
柳は嘲笑すると横目で一正を見た。
「わしは綺麗ごとで飾り立てる気はない。このやり方が反発を買い、自身の立ち位置を悪くすることくらい解っとる。」
一正は銃口を柳へ向ける。
「それでも」
「それでも、皆が笑える世をこの目で見てみたい。」
言葉の先を雅之が市女笠の人物へ短刀を向けて言う。
「思うことは同じ、か。」
市女笠の人物は楽しそうだ。
「僕としても、風麗にはこちらに来て欲しかったけれど。」
残念そうに言うと、市女笠を脱ぎ捨てた。
笑みを浮かべる表情は風麗と瓜二つだ。
長髪の橙髪は一瞬、女と見紛いそうになる。
「やっと、会えた。愛しいひと。」
恍惚とした笑みで風麗を見る。
その視界には雅之は無いようだ。
「!!」
風麗は初対面であるその顔に驚く。