散華の麗人
奏国が敗戦した後、逃げてきた道場。
そこで、風麗と出会った。
暫く、賑やかで、平穏とは言えないがそれなりに安全な生活を送っていた。
そんなある日、柳を追ってきた敵達に襲われる。
師匠もその弟子も居らず、その場は柳と風麗のみだった。
敵に囲まれ、逃げ場がなかった状況で柳は風麗を窓から投げて逃がした。
捕まった柳は今や価値がなくなった賞金首として奴隷市場をたらい回しにされていた。
逃げる機会を伺っていたが、逃げられるはずもなく5年の歳月が過ぎた。
奴隷市場で競りがあっている最中、ひとりの奴隷が逃げ出した。
他の奴隷達がそれに続いて逃げ出す。
混乱している状況に乗じて柳も逃げた。
暫くは逃亡の日々だったが、やがて用心棒として雇われて生活を送るようになる。
『君は奏国の王だね?』
陽炎はそんな彼の前に現れた。
『そうだけど。……殺すつもり?』
柳は怯えもせずに問う。
陽炎は笑う。
『いいや。』
そして歩み寄った。
『風麗、って女をしってるね?』
『!!』
『その子を探す力になって欲しいんだ。』
それから方々を巡り、風麗の情報を集めていた。
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