散華の麗人
驚く一正を意に介さずに雅之は話す。
「元賞金首である奏国王とその重臣を匿ったと知られたからだ。だが、既に王の首に価値はない。そこで、天狗に白羽の矢が立った。奴ならば実力も申し分無い。」
「だが、そうまでして賞金首にする意味が解らん。」
「俺達が知り得たのは大まかそういう話だという情報だけだ。正確にはどういう意図かは解らない。賞金首として上がったのは最近だということも気になる。」
「最近?」
尚更訳がわからないという表情で一正が唸る。
「荘龍山へ行くのも、恐らく傭兵があちらこちらに潜んでいるだろう。そこへ細川国王が来ればいくら散華の麗人でも対処出来るとは限らない。天狗に会える保証も無い。罠の可能性もある。第一、手紙の出処が信用ならない。」
陽炎のことを指して雅之は言う。
「天狗を賞金首にして利益がある人物が裏に居ると考えるのが自然だ。奴を殺したい者。それが解らない限りは軽率に行くことは愚かだ。」
それに対して一正は何も言わない。
「元賞金首である奏国王とその重臣を匿ったと知られたからだ。だが、既に王の首に価値はない。そこで、天狗に白羽の矢が立った。奴ならば実力も申し分無い。」
「だが、そうまでして賞金首にする意味が解らん。」
「俺達が知り得たのは大まかそういう話だという情報だけだ。正確にはどういう意図かは解らない。賞金首として上がったのは最近だということも気になる。」
「最近?」
尚更訳がわからないという表情で一正が唸る。
「荘龍山へ行くのも、恐らく傭兵があちらこちらに潜んでいるだろう。そこへ細川国王が来ればいくら散華の麗人でも対処出来るとは限らない。天狗に会える保証も無い。罠の可能性もある。第一、手紙の出処が信用ならない。」
陽炎のことを指して雅之は言う。
「天狗を賞金首にして利益がある人物が裏に居ると考えるのが自然だ。奴を殺したい者。それが解らない限りは軽率に行くことは愚かだ。」
それに対して一正は何も言わない。