散華の麗人
茶々が敦賀と笹川に茶を出す。
それを飲むと、笹川がぱぁっと目を輝かせた。
「美味しゅうございます!」
その言い方に敦賀が笑う。
「誠に、面白き奴よ。」
「な!!??何ですか?」
笹川は心外そうだ。
「いや、褒めてるのだ。」
そう言う敦賀も茶を飲む。
「美味い。」
落ち着いた様子で言う敦賀を見た笹川は、先ほど笑われた意味を悟った。
自分が子供らしすぎたのだと気が付くと恥ずかしくなって黙ってしまった。
「ふふっ、そんな風に喜ばれると嬉しいです。」
茶々は笑う。
笹川の様子を見て、少し首を傾げた。
「子供のように素直なことは、時として大切ですよ。そんなに恥じないで下さい。」
「!、!……!!!!!……!!!???」
見透かされたことに笹川は驚いて口をぱくぱくさせる。
「ははは、九つの子供に心を見透かされるとはな。」
「敦賀殿!」
笹川はからかう敦賀に反論しようとするが、言葉が見当たらない。
「……もういいです。どうせ、子供らしいですよ。」
ふん、と拗ねる顔はその言葉通りに子供らしかった。
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