散華の麗人
風麗が紀愁のことを“師匠”と呼ぶ前
傭兵として働いていた風麗は、次の依頼人を探していた。
『おや。おちびさん。』
『でたな!!天狗め!』
風麗は膨れっ面で紀愁を睨みつけた。
『やれやれ。口が悪い娘ですね。』
『天狗に言われる筋合いない。今日こそ、ケリをつけてやる!!』
そう言って喧嘩を吹っかけたが、いつも風麗が負けた。
『――っ!!』
『まだまだ未熟ですね。』
紀愁は笑う。
『このくらいでいい気になるな!この世界に私以上の人間は沢山いる。天狗なんかまだまだなんだからなっ!!』
そう言い捨てると風麗は去って行った。
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