散華の麗人
リアンは内心で笑った。
(どう動くおつもりか。)
平静なふりをして話を聞く。
「現状は圧倒的に不利。成田軍はこちらの3倍以上の兵力を持っている。」
「!!!!」
大村隊は驚く。
「そこで、敵を本陣へ集中させて、集中して出てきたところを引きつけて叩くという戦法を取る。」
「本陣へ!!?」
一同が驚く。
「あぁ。」
一正は平静だ。
「戦力の分散はできるだけ避けたい。そして、誰もが討ち取りたい首、絶好の餌と言ったらわしやろ?」
挑戦的に笑んだ。
「とはいえ、まぁー、風麗の受け売りに便乗した作戦。わしが偉そうに言うのもなんなんだがな。」
からっと笑った。
「風麗?」
重次が風麗を見た。
風麗は頭を下げる。
「お言葉ながら。」
はっきりと発言したのは敦賀だ。
「……なんや?一介の傭兵が意見するのが気に食わないんか?」
「……」
一正が見透かすと敦賀が無言の肯定をした。
「数々の戦場を駆けてきた者に、老若男女、上下関係、そんなもん関係ない。偏見で良い戦術を蔑ろにするのは愚か者のすることや。」
「……失礼しました。」
「うむ。」
謝る敦賀に一正は頷いた。
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