散華の麗人
他の3人も同じ思いがあった様子で、頭を下げる。
「……まずは、成田への進軍、ですな。」
重次の言葉に一正が頷く。
「大村重次」
「は。」
一正は重次を見る。
「敦賀久幸。」
「は。」
次に敦賀を見る。
「笹川片次」
「はい。」
今度は笹川を見た。
「リアン。」
「はい。」
(全員の名前を呼んで鼓舞するおつもりか。)
リアンは意図を察して、次に呼ばれるであろう与吉郎を見た。
「与吉郎。」
「はい。」
与吉郎も意図がわかっている様子だ。
「風麗。」
「は。」
風麗は跪く。
「そして、千代。」
「はい。」
優しい声音に微笑む。
「勝利は掴める。必ずな。行くぞ。」
「応!」
一正がそう言って踵を返すと全員が立ち上がり、彼らは進軍を開始した。
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