散華の麗人
茶屋を訪れると、中から老婆が現れた。
「これはこれは、国王陛下。よくぞいらっしゃいました。」
老婆は猫背な背を更に曲げて挨拶した。
「いやぁ。くるしゅうない。」
一正がはにかむ。
「ここの茶葉を兵士から貰ってな。」
「さようですか。」
「あぁ。うまかったぞ!」
「お褒めに預かり光栄です。ささっ、座ってくだされ。」
そう言うと、老婆は嬉しそうに言って椅子を勧めた。
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