君だけの天使になる




『あ、ごめん。消しゴム忘れちゃって、
 貸してくれない?』


 その日も補習で教室に二人だった。
 俺の消しゴムの中身を春香がみようと
 して――


『っ!返せっっ!!』



 丁度最初の文字しか見えてないみたい
 だったけど俺には十分青ざめた。

 
 確かそのときは、見たか?って春香に
 言ったけど春香は見てないって答えた
 気がする。


 
『勘違いするなよ?お前じゃないから。
 もっと小さくて可愛い奴だから』


 俺はその時
 素直に言えなかった。


“お前のことが好きだって”


 だけど春香は、


『私も!そんなとこに名前が書いて
 あったらキモイしっ!!』



 俺が言ったことなのに、俺が傷ついてる。
 馬鹿な俺には丁度いい言葉だったのかも
 しれない。



 その後は――――...


 昔のことを思い出してると
 もう朝の6時になっていた。


「ん...」



 春香っっ!!
 目が覚めたのか??



「...あれ..もう6時なんだ...ふぁっ」


 
 寝起きの春香が可愛くて思わず胸が
 苦しくなる。

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