君だけの天使になる
あ、俺死んでるんだった。
心臓ないや。
そんな時、ドタドタっと下から足音が
して春香のお母さんが電話機を持って
春香の部屋に、来た。
「春香っ!!今すぐ電話にでなさいっ!」
「ええ?何ママ。こんな時間に...」
「いいからっ!!」
寝ぼけていた春香が電話機を耳に
すると、すぐに顔が真っ青になる。
「えっ―――...」
ああ。たぶん、俺のことだ。
お袋が俺のことを電話で話したのか。
けど、時間早すぎない?
一瞬、春香と目が合ったとか思って
ドキッとした。
なわけないのに。
すぐに春香と春香のお母さんは車で
俺の家に向かった。
俺もすぐに行く。
頭に思い描くとそこにすぐにいけるって
最近になって知った。
俺の家で、俺の部屋で、自分が死んでる
姿を見るのはやけに生生しくて気分悪く
なる。
俺、本当に死んでるんだよな?
のんきな俺は周りが泣いていても
やはり馬鹿は馬鹿なのだ。
...春香。俺の為に泣いてくれるのか?
ほんと、こういうときだけ、いつも...
俺なら、ここにいる――...