Ending Note〜the answer〜


「ちょっと待って! 栗沢さん!」



タバコをきちんと処分したのだろうか。

全速力で追いかけてきた三枝の手にタバコはなかった。



「なに?」



三枝の方など見向きもせずに、僕はスタスタと歩く。

小走りで僕に歩調を合わせながら、三枝は言う。



「だからねっ、あたしっ、大変なことに気づいたんですってば!」



あぁ、そういえば。

さっき、そんなこと言っていたな。



「大変なことって?」


「あのですね? 栗沢さんはあたしの連絡先知っているじゃないですか」



個人的に知っているわけじゃない。

社員・バイトの連絡先リストというものが存在し、アシマネという立場上、それを管理しているだけだ。



「それって、おかしいですよね?」



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