Ending Note〜the answer〜


なにをやってんだ、こいつは。



「おまえなぁ。親とか友達とか、誰でもいいから連れて行ってもらえよ」


『あたし……1人暮らしだし、友達は卒論で忙しいから邪魔しちゃ悪いし……』



泣きそうな声で言い訳をする三枝に、僕は思わず「は?」と声を上げた。



「1人暮らし?」


『……はい』



1人暮らしなんて初めて知った。

それじゃあこいつ、高熱でうなされて病院にも行けず、1人で苦しんでいたのか。

……きつかっただろうな。



『あ。1人暮らしだからって……寝込みを襲いに来ないでくださいね。熱が下がったらいつでも来てかまいませんけど』



……前言撤回。

こいつを一瞬たりでも心配したことが、本気で泣けてくる。



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