Ending Note〜the answer〜
僕に振られ続けてもなお結婚まで考えてしまっている、このちょっと変わった彼女。
三枝 蛍子。
僕の勤務先でもあるこのホテルでバイトをしている、地元の大学4年生だ。
就職が決まって、入社するまでの短期間バイト……かと思いきや。
就職が決まっているどころか、就活さえもしていないという。
どうもホテルで働くのが夢らしく、いずれはここの正社員になろうと、せっせと時給900円のバイトに励んでいる、というわけだ。
まぁ、確かに頑張り屋さんではある。
そのうち、マネージャーからの推薦をもらって正社員への道も開けるであろう。
しかしなぁ、三枝。
マネージャーからの推薦をもらうには、その前に、アシスタントマネージャーでもある僕の推薦も必要だということを忘れるな。
「結婚したら、栗沢蛍子?」
「きゃー、やめてよ。似合いすぎて恥ずかしいじゃないのっ」
ドアの向こうでは、相も変わらず楽しい妄想話が繰り広げられている。
……軽く眩暈がした。