Ending Note〜the answer〜
指輪に括りつけられたメモを見て、涙が込み上げてきた。
そして、嗚咽を漏らすほどに泣いたのは、おそらく初めてだ。
蛍子の余命を知ってから、強い夫そして父親でなければならないと、ずっと涙を堪えてきた。
蛍子の言う“未来”。
それは、僕が新しい妻を迎えることを意味している。
散骨だってそうだ。
自分が入っている墓に、おそらく新しい妻は入ることを拒むに違いない。君はそう考えているんだろう?
「……おまえは本当にバカだな」
僕が、君以外の女性とともに生きていけるはずがない。
僕と君は、少しのあいだ離れ離れで生活しているだけだ。
だから蛍子。
どうか、心配したり、不安になったりしないでほしい。
たとえそばにいなくとも、
君という存在が、僕の、そして僕たち家族の生きる糧なのだから――……
【Answer.1】~fin~