Ending Note〜the answer〜
「……誰が、ガンなんですか?」
マジメな顔で訊いてくる市瀬に、私は蛍ちゃんのことを話した。
……おそろしいほどまでに、冷静に。そして、淡々と。
「……お姉さんが……」
すべてを聞いた市瀬は絶句し、それをごまかすかのように、生ビールを一気に飲み干す。
「おまたせしましたー。生ビールと枝豆と山芋鉄板ですー」
「お姉さん、生ビールを4杯」
「えっ? 4杯、一度にお持ちしてもよろしいですか?」
「はい」
4杯も一度に持ってこられたら、最後の方はぬるくてまずくなるだけ。
それでも市瀬が一度に生ビールを4つも頼むことに、私は抗議しない。
いつもそうだ。
深刻な話をするとき、市瀬は、邪魔されたくないからとお酒を一気に頼む癖がある。
生ビール4杯、テーブルに到着。
店員が立ち去ると同時に、市瀬が口を開いた。