【短】女子高生と幽霊
一人になった私はせっせと知らない人のお墓を磨いた。

『城田さん』って人らしいけど。


掃除だけじゃ物足りないと思って、自分の家のお墓にお供えしてあるお花を数本抜き取り、こっちに挿した。

それからお線香をあげて、手を合わせた。


他人の為にこんなにするってすごい。自分でもそう思うくらいに頑張った。


「ふー。そろそろ戻ろうかな」

「え?何?戻んの?」

「あ、はい」




…あれ?私誰と話してんの?


周りを見渡しても人の影は全然無い。


き、気のせいだったのか?暑さでやられた?
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