【短】女子高生と幽霊
とりあえず、わからない場所は一通り教えて貰った。


気がつけば日が落ち始める時間帯になっていた。


こんなに集中して勉強できたのは久しぶりだった。

レイさんのおかげかな?


「おっと。もうこんな時間か。うん、頑張ったんじゃねーの?」


「うん。自分でもそう思う」


「そんじゃ、母ちゃんの旨いだろう飯食って、風呂入って、歯磨いてさっさと寝な」


「いやいや。寝るにはまだ早いよ。夏休みだし。それにそんな子供じゃないし」


「おじさんから見たら十分子供だよ」



『子供』と言われた。何故か胸の奥がチクリと傷んだ。


…何故傷むのか。

本当は気付いてるけど、知らないフリをする。


気付くには、早すぎる。
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