それでも君を好きになる
悔しくて、もう一度ドアノブに手をかける。
負けず嫌いなあたしは、なんとなく息を止めてドアを開けた。
…やっぱり暑い。
ジリジリと焼けるような暑さの外に出て、空を見上げて太陽を睨みあげる。
少しくらい休めよ、太陽め。
カツカツとサンダルのヒールを鳴らして家の門から道路へ出る。
アスファルトから湯気が出て見えるのは幻でしょうか。
ふぅ、と息を吐いて額から出てきた汗を拭う。
「うー、暑いー…。」
嘆くように呟くと、ハルの笑い声がケラケラと聞こえてきた。
暑いと文句を言ってたクセに、ハルは涼しい顔をしている。
絶対あいつ、暑いとか思ってないな。
やっぱり幽霊は気温とか関係ないのかもしれない。