それでも君を好きになる
「なー、どこ行くの?」
「……あ、」
「まさか決めてないとか?」
「……。」
「……。」
「…まさか。」
「いや、今の間からしてそのまさかだろ。」
図星だった。
外に行こうと提案してみたけと、そういえばどこに行くかなんて決めていない。
うーん、どこに行こう。
顎に指を当てて少し考えるけど、特に思いつかない。
「とりあえず歩こうか。」
「なんだよそれ。適当すぎんだろ。」
「お黙りなさい。」
グダグダうるさいハルにピシャリとした声を出すと笑われた。
文句をいいつつも、そんなに気にしてはいないようだ。
思いつかないまま、歩き出す。