それでも君を好きになる
死んだはずのハルが現れたのは今朝だった。
鳴り響く目覚まし時計に叩き起こされて、重たい目を頑張って開こうとしていると。
隣から「うるせー…」と不機嫌そうな声が聞こえてきて耳を疑った。
隣に誰かいるってことよりも、聞き覚えがある声に驚いたんだけど。
ハッと覚醒して起きあがると、隣に目を閉じた綺麗な横顔の男がいた。
朝日に照らされて、長い睫毛の影が頬に落ちている。
色々な記憶が巻き戻ってきて、唖然としているとそいつは身をよじってから欠伸をした。
眠そうな目を擦りながら、「早く目覚まし時計止めろよ」と偉そうに言ってくる。
しゃ、しゃべった…!
と理解した瞬間に、あたしは発狂した。
「、はぁあああああああああああ!?」
「っ、うっせ…!!」
しかめ面で耳を塞ぐ男は明らかにハルで。
とにかく驚いた。
「何!?どうしたの?」
あたしの叫び声に驚いて一階にいたであろうお母さんが、ドタドタと部屋に入ってきた。