恋愛放棄~洋菓子売場の恋模様~
恵美は無言でアイスティを飲んでいる。目を合わせるつもりもないらしい。
当然だ、彼女は私と違ってちゃんと貞操観念を持っている。
「くれは」
ぶは!と隣で恵美が吹き出した。
別に本名だってかまわないんだけど、最近二人でよく読む携帯小説の主人公の名前が浮かんだから言ってみた。
どこから話を聞いてたか知らないけど、出てた名前なんてきっと覚えちゃいないでしょう。
「くれはちゃん。良かったらまた連絡して?今は外回り中だから遊べないけど暇つぶしくらい付き合うよ」
男は肘を付いた手に顎を載せて、視線で名刺を指し示す。いちいちなんだか癪に触る。だからってわけでもないけど、それを押し戻して言った。
「いらない。」
漸く笑顔が形を潜めて、首を傾げる。効果音つけるなら、きょとん。だな。
「今はダメってことは次もなくていいでしょ。縁がなかったってことで」
当然だ、彼女は私と違ってちゃんと貞操観念を持っている。
「くれは」
ぶは!と隣で恵美が吹き出した。
別に本名だってかまわないんだけど、最近二人でよく読む携帯小説の主人公の名前が浮かんだから言ってみた。
どこから話を聞いてたか知らないけど、出てた名前なんてきっと覚えちゃいないでしょう。
「くれはちゃん。良かったらまた連絡して?今は外回り中だから遊べないけど暇つぶしくらい付き合うよ」
男は肘を付いた手に顎を載せて、視線で名刺を指し示す。いちいちなんだか癪に触る。だからってわけでもないけど、それを押し戻して言った。
「いらない。」
漸く笑顔が形を潜めて、首を傾げる。効果音つけるなら、きょとん。だな。
「今はダメってことは次もなくていいでしょ。縁がなかったってことで」