恋愛放棄~洋菓子売場の恋模様~
仇も情けも我が身より出る
「結局俺が怒られたじゃねーか」
突如降り出した雨が、フロントガラスを叩く。ワイパーが忙しなく動くけど、酷い雨で視界が悪い。
店長に怒られた彼の機嫌も、悪い。
「なんだかんだ、藤井さん人が良いですよね。最初は尻軽女引っ掛けて遊ぶつもりなんだと思ってました」
チャンスがあっても食いつかないし、挙句私たちのゴタゴタに巻き込まれてお説教。
適当に宥めてどっかに連れ込む流れだって可能だろうに。
「最初はそのつもりだったんだよ」
赤信号で停車するも、憮然として前を向いたまま、言った。
少し拗ねているようにも見えて。
「女にしては思い切った考え方してるなと思えば、意外にガード固くて、友達に嫌われたくらいでびーびー泣いて、拍子抜けだ」
「はぁ。ご要望に添えずすみません」
ガードが固いっていうか、第一印象が悪すぎて誘いに乗る気にならなくて。
まして、職場まで知れたから必然的にガードしただけで。
私は、散々泣いて何一つ解決はしていないながら、少し気持ちは上向いていた。
突如降り出した雨が、フロントガラスを叩く。ワイパーが忙しなく動くけど、酷い雨で視界が悪い。
店長に怒られた彼の機嫌も、悪い。
「なんだかんだ、藤井さん人が良いですよね。最初は尻軽女引っ掛けて遊ぶつもりなんだと思ってました」
チャンスがあっても食いつかないし、挙句私たちのゴタゴタに巻き込まれてお説教。
適当に宥めてどっかに連れ込む流れだって可能だろうに。
「最初はそのつもりだったんだよ」
赤信号で停車するも、憮然として前を向いたまま、言った。
少し拗ねているようにも見えて。
「女にしては思い切った考え方してるなと思えば、意外にガード固くて、友達に嫌われたくらいでびーびー泣いて、拍子抜けだ」
「はぁ。ご要望に添えずすみません」
ガードが固いっていうか、第一印象が悪すぎて誘いに乗る気にならなくて。
まして、職場まで知れたから必然的にガードしただけで。
私は、散々泣いて何一つ解決はしていないながら、少し気持ちは上向いていた。