恋愛放棄~洋菓子売場の恋模様~
「お前んとこのだけ?他所のポストは?」
「えっ……さぁ。気になって見渡したことはあるけど、多分ウチだけ、かな。最初は鍵つけてなかったんですけど、腹立ってきてこないだつけたんです。でも意味なかったですね」
ゴミを散らかったままにするわけにもいかない。
一旦家に帰って、ゴミ袋を取ってくるしかないだろう。
バッグの中に手を入れて、家の鍵を手探りしていると、携帯が手に触れて振動しているのがわかった。
どうせ、また母親か。
そう思いつつ、携帯を手にとってぱか、と開く。
「あ、藤井さん。気にせず帰ってください。ゴミは仕方ないけど拾ってくしかないし」
「あぁ、っつか大丈夫か。地味に陰湿だよな」
地味も陰湿も似たような言葉だな、と思いつつ。
携帯画面に目を落とした私は、首を傾げた。
「あれ、お母さんじゃない」
呟きに、藤井さんが反応して立ち上がる。
気にしているようなので、携帯画面を藤井さんに向けた。
「非通知。誰だろ」
わざわざ非通知でかけてくるような相手はいないのだけど。
気になるので、通話ボタンを押して耳にあてた。
「はい。もしもし?」
「えっ……さぁ。気になって見渡したことはあるけど、多分ウチだけ、かな。最初は鍵つけてなかったんですけど、腹立ってきてこないだつけたんです。でも意味なかったですね」
ゴミを散らかったままにするわけにもいかない。
一旦家に帰って、ゴミ袋を取ってくるしかないだろう。
バッグの中に手を入れて、家の鍵を手探りしていると、携帯が手に触れて振動しているのがわかった。
どうせ、また母親か。
そう思いつつ、携帯を手にとってぱか、と開く。
「あ、藤井さん。気にせず帰ってください。ゴミは仕方ないけど拾ってくしかないし」
「あぁ、っつか大丈夫か。地味に陰湿だよな」
地味も陰湿も似たような言葉だな、と思いつつ。
携帯画面に目を落とした私は、首を傾げた。
「あれ、お母さんじゃない」
呟きに、藤井さんが反応して立ち上がる。
気にしているようなので、携帯画面を藤井さんに向けた。
「非通知。誰だろ」
わざわざ非通知でかけてくるような相手はいないのだけど。
気になるので、通話ボタンを押して耳にあてた。
「はい。もしもし?」