恋愛放棄~洋菓子売場の恋模様~
「で、10回送ったら1回抱かせろ」
「いやですってば。ふざけんなですよ」
当然ながら冗談だろうと、たかをくくって適当にあしらった。
傍で聞けばどんだけ必死なんだ、というそのセリフが笑わせてくれる。
「なんでそう頑なに拒否なんだよ。遊人じゃなかったのかよ」
ぼやきのようで、私の反応はわかっていたのだろう。
喉を鳴らして笑っている様子に、やっぱり冗談なんだと確認できて安堵した。
「なんでか、藤井さんの誘い方って拒否したくなるっていうか。それが寧ろ気持ちいいっていうか」
くそ女。今に見てろよって。
呟きながら軽く額を弾かれた。
「藤井さんこそ、なんでこんなに構うんですか」
弾かれた額を片手で摩りながら、ふとした疑問を口にする。
藤井さんはマグカップの冷えたコーヒーを口に運んで、少しの間を置いた。
「遊びじゃなくて、本気ならいいかって聞いたよな」
あの日、貯蔵庫で言われたセリフだった。
本気の訳ないのに、一瞬囚われたように動けなくなった、あの時。
同じように、どくんとひとつ、心臓が跳ねた。
「まぁ、嘘なんだけど」
………。
「…はいはい。もうからかって遊ぶのやめてください」
うっかり動揺させられて、かちんと来た。
唇を尖らせて抗議すると。
「でも、お前に興味があるのは本当」
「いやですってば。ふざけんなですよ」
当然ながら冗談だろうと、たかをくくって適当にあしらった。
傍で聞けばどんだけ必死なんだ、というそのセリフが笑わせてくれる。
「なんでそう頑なに拒否なんだよ。遊人じゃなかったのかよ」
ぼやきのようで、私の反応はわかっていたのだろう。
喉を鳴らして笑っている様子に、やっぱり冗談なんだと確認できて安堵した。
「なんでか、藤井さんの誘い方って拒否したくなるっていうか。それが寧ろ気持ちいいっていうか」
くそ女。今に見てろよって。
呟きながら軽く額を弾かれた。
「藤井さんこそ、なんでこんなに構うんですか」
弾かれた額を片手で摩りながら、ふとした疑問を口にする。
藤井さんはマグカップの冷えたコーヒーを口に運んで、少しの間を置いた。
「遊びじゃなくて、本気ならいいかって聞いたよな」
あの日、貯蔵庫で言われたセリフだった。
本気の訳ないのに、一瞬囚われたように動けなくなった、あの時。
同じように、どくんとひとつ、心臓が跳ねた。
「まぁ、嘘なんだけど」
………。
「…はいはい。もうからかって遊ぶのやめてください」
うっかり動揺させられて、かちんと来た。
唇を尖らせて抗議すると。
「でも、お前に興味があるのは本当」