恋愛放棄~洋菓子売場の恋模様~
◇
水面の夢を見ていたような気がする。
ゆらぐ水面を眺めているのか、若しくは泳いでいたのかも。
ふわりと一瞬浮かんで、背中に感じた柔らかさに目が覚めた。
目の前に、笹倉の顔があって、その向こうに寝起きの時によく見る天井。
……寝室だ。
漸く目の焦点が合ってぼやけた視界がクリアになると、笹倉が私を見下ろしてるのがわかった。
「ごめん。起こした?」
リビングから、運んでくれたところだったらしい。
私をベッドに残して、彼は身体を起こすと軽く襟元を整えた。
そういえば、私、通勤の服のまんま。
どうなったんだっけ、と自分の姿を確認したら、いつものルームウェアに着替えさせられていた。
「…あのまんま寝かすわけにもいかなかったし」
「うん、ありがと」
部屋着の場所も知ってるくらい、ここに馴染んでいたんだなぁ。
もぞ、とベッドの中で丸くなりながらそんなことを思っていたら、不意に彼の視線がこちらへ戻ってきて、にっと唇の端を持ち上げた。
「今日で最後だし、もっかい襲おうかとも思ったんだけどな」
もう遅いし帰るわ。
そう言った彼の表情には、いつもの調子が戻っていて私は安堵する。
「ねぇ。前から言おうと思ってたんだけど」
「うん?」
「アナタ、サルですか」
水面の夢を見ていたような気がする。
ゆらぐ水面を眺めているのか、若しくは泳いでいたのかも。
ふわりと一瞬浮かんで、背中に感じた柔らかさに目が覚めた。
目の前に、笹倉の顔があって、その向こうに寝起きの時によく見る天井。
……寝室だ。
漸く目の焦点が合ってぼやけた視界がクリアになると、笹倉が私を見下ろしてるのがわかった。
「ごめん。起こした?」
リビングから、運んでくれたところだったらしい。
私をベッドに残して、彼は身体を起こすと軽く襟元を整えた。
そういえば、私、通勤の服のまんま。
どうなったんだっけ、と自分の姿を確認したら、いつものルームウェアに着替えさせられていた。
「…あのまんま寝かすわけにもいかなかったし」
「うん、ありがと」
部屋着の場所も知ってるくらい、ここに馴染んでいたんだなぁ。
もぞ、とベッドの中で丸くなりながらそんなことを思っていたら、不意に彼の視線がこちらへ戻ってきて、にっと唇の端を持ち上げた。
「今日で最後だし、もっかい襲おうかとも思ったんだけどな」
もう遅いし帰るわ。
そう言った彼の表情には、いつもの調子が戻っていて私は安堵する。
「ねぇ。前から言おうと思ってたんだけど」
「うん?」
「アナタ、サルですか」