恋愛放棄~洋菓子売場の恋模様~
◇
「いらっしゃいませ。いかがですか?」
通り過ぎるだけの客にも声掛をしながら、時間が過ぎるのを待つ。
今日も暇だし在庫整理でもしにいこうかとも思ったが、連日暇があれば整理しているので、もう手を入れる必要がないくらい片付いている。
ぼんやりと向かいの店を見れば、さすが広いスペースをもらえるメーカーなだけあって、閑散期でもそれなりに客の出入りがある。
笹倉がカウンターで包装しているのが見えた。
あれからまだ一週間ほどだが、現実あまり変わらない私達。
すれ違えば挨拶するし、休憩室で会えば話もする。
ただ、二人で会わなくなっただけ。
それを仄めかす仕草や絡まる視線が、一切消えただけ。
これが正しい。これが普通だ。
視線を外して、自店のカウンター内を向いた。
カナちゃんも手持無沙汰な様子で、意味なく在庫ノートをめくっている。
「美里さん、少し早目にお昼行きます?…今日は恵美さん、お休みですし」
無理に時間合わせる必要ないし。
そう、こちらもあれから進展なしだった。
上手く時間が合わなくて誘えなかったり、かわされたり。
昨日に至っては、本気の猛ダッシュで逃げられた。
「いらっしゃいませ。いかがですか?」
通り過ぎるだけの客にも声掛をしながら、時間が過ぎるのを待つ。
今日も暇だし在庫整理でもしにいこうかとも思ったが、連日暇があれば整理しているので、もう手を入れる必要がないくらい片付いている。
ぼんやりと向かいの店を見れば、さすが広いスペースをもらえるメーカーなだけあって、閑散期でもそれなりに客の出入りがある。
笹倉がカウンターで包装しているのが見えた。
あれからまだ一週間ほどだが、現実あまり変わらない私達。
すれ違えば挨拶するし、休憩室で会えば話もする。
ただ、二人で会わなくなっただけ。
それを仄めかす仕草や絡まる視線が、一切消えただけ。
これが正しい。これが普通だ。
視線を外して、自店のカウンター内を向いた。
カナちゃんも手持無沙汰な様子で、意味なく在庫ノートをめくっている。
「美里さん、少し早目にお昼行きます?…今日は恵美さん、お休みですし」
無理に時間合わせる必要ないし。
そう、こちらもあれから進展なしだった。
上手く時間が合わなくて誘えなかったり、かわされたり。
昨日に至っては、本気の猛ダッシュで逃げられた。