恋愛放棄~洋菓子売場の恋模様~
「すみませんで済むわけないでしょう!どうするのよ?!」
フロアに戻った途端に聞こえた怒鳴り声に、目を見合わせる。
私達の店の方角。
二人、自然と足早になる。
すぐに騒ぎの中心が見えた。
うちの店の前で、やや年配の女性とひたすら頭を下げるカナちゃんの姿があり、周囲のお客様や他店の販売員がちらちらと様子を伺っている。
急ぎながら、隣の店の恵美が心配そうに目配せしたのが見えたので、頷いてみせた。
「行けそう?」
と、笹倉の声。
「とにかくなんとかしてくる」
今日、この時間は私とカナちゃんの二人だ。私が行くしかない。
笹倉はぽん、と私の背中を叩いて自分の店へ帰って行く。
私も、女性とカナちゃんの話を聞き取り状況把握を計りながら、ひとまずクッキーの箱をレジカウンターの奥に隠した。
今日は、先週来店して注文があったギフトセット10個の引き取りがあった。
朝から、指定の熨斗紙をして包装し準備してある。
来店予定の時間だから、そのお客様だと、思うんだけど……
カナちゃんは怒鳴られて混乱して、冷静に対応できる状態ではなさそうだ。
すぅっと息を吸い込んで、人知れず気合いを入れる。
お客様の視界に入り、お辞儀しながら声をかけた。
「申し訳ございません。お客様、何か不手際がございましたでしょうか?」
フロアに戻った途端に聞こえた怒鳴り声に、目を見合わせる。
私達の店の方角。
二人、自然と足早になる。
すぐに騒ぎの中心が見えた。
うちの店の前で、やや年配の女性とひたすら頭を下げるカナちゃんの姿があり、周囲のお客様や他店の販売員がちらちらと様子を伺っている。
急ぎながら、隣の店の恵美が心配そうに目配せしたのが見えたので、頷いてみせた。
「行けそう?」
と、笹倉の声。
「とにかくなんとかしてくる」
今日、この時間は私とカナちゃんの二人だ。私が行くしかない。
笹倉はぽん、と私の背中を叩いて自分の店へ帰って行く。
私も、女性とカナちゃんの話を聞き取り状況把握を計りながら、ひとまずクッキーの箱をレジカウンターの奥に隠した。
今日は、先週来店して注文があったギフトセット10個の引き取りがあった。
朝から、指定の熨斗紙をして包装し準備してある。
来店予定の時間だから、そのお客様だと、思うんだけど……
カナちゃんは怒鳴られて混乱して、冷静に対応できる状態ではなさそうだ。
すぅっと息を吸い込んで、人知れず気合いを入れる。
お客様の視界に入り、お辞儀しながら声をかけた。
「申し訳ございません。お客様、何か不手際がございましたでしょうか?」