恋愛放棄~洋菓子売場の恋模様~
途中で昼食をしてから帰ってきたので、アパートについたのは15時頃だった。
藤井さんが疲れているだろうと思い、途中運転の交代を遠慮がちに申し出てみたが、取得して以来殆ど乗ってないと知ると全力で断られた。
よくそれで交代なんて言えるな、と白い目で見られ、少し拗ねる。
わかってるから、遠慮気味に聞いたんじゃないか。
いつもの場所に停めてもらい、車を降りて運転席側の窓に寄る。
「本当にありがとうございました」
「もういいって。何度もシツコイ」
「だって。ほんとに感謝してるんですもん。…運転、大丈夫ですか?」
「あぁ。うち帰ってねるさ」
欠伸を噛み殺しながら言う彼に、私は少し腰を屈めて目線を合せながら問うた。
「もし。
もし、自惚れでなければ」
彼は、一度言葉を区切った私と訝しげに視線を合わせる。
「からかってるだけでなく、少しは本気で私を好きなんだと思っていいですか?」
藤井さんの目が、見開かれて驚いているのがわかった。
こんな話題を、私から振るとは思わなかったんだろう。
曖昧なままでいることは、私には楽だった。
けど、私は前に進むことにした。
藤井さんが疲れているだろうと思い、途中運転の交代を遠慮がちに申し出てみたが、取得して以来殆ど乗ってないと知ると全力で断られた。
よくそれで交代なんて言えるな、と白い目で見られ、少し拗ねる。
わかってるから、遠慮気味に聞いたんじゃないか。
いつもの場所に停めてもらい、車を降りて運転席側の窓に寄る。
「本当にありがとうございました」
「もういいって。何度もシツコイ」
「だって。ほんとに感謝してるんですもん。…運転、大丈夫ですか?」
「あぁ。うち帰ってねるさ」
欠伸を噛み殺しながら言う彼に、私は少し腰を屈めて目線を合せながら問うた。
「もし。
もし、自惚れでなければ」
彼は、一度言葉を区切った私と訝しげに視線を合わせる。
「からかってるだけでなく、少しは本気で私を好きなんだと思っていいですか?」
藤井さんの目が、見開かれて驚いているのがわかった。
こんな話題を、私から振るとは思わなかったんだろう。
曖昧なままでいることは、私には楽だった。
けど、私は前に進むことにした。