恋愛放棄~洋菓子売場の恋模様~
玄関を開ければ、仕事帰りであろう、笹倉が立っていた。
「どうしたの?急に」
「昨日から具合悪くて休んでるって聞いたから、気になって…」
笹倉は少し驚いた表情で、しげしげと私の顔色を伺っている。
コンビニの袋を差し出されて、受け取ってみればそれはずしりと重くて。
「熱でもでてんのかと思ってゼリーとかスポーツ飲料持ってきたんだけど、元気そうだな」
「あ…そっか。ちょっと出先で貧血で。大事とって店長がお休みくれただけなの。もう元気」
「なんだ。なら、良かったけど。…それはやる」
「あぁ、うん。ありがとう…」
どこか所在無げな笹倉と、私の会話は気まずくて。
思えば当然のことかもしれない。家で顔を合わせるのは、あの日以来なのだから。
笹倉が、すん、と鼻を鳴らした。
「なんか、すげー匂い。何?」
「すげーとは何よ。肉じゃが。今日の晩御飯」
「…え。お前料理するんだ」
失敬な。
心底意外といった表情に、私は頬をむくれさせる。
「ちょっとくらいできるよ私だって。食べてく?」
何げなく、聞いてしまった。
瞬間、また立ち込める気まずさ。
「あー…いや、やめとく」
「…そっか。うん」
「どうしたの?急に」
「昨日から具合悪くて休んでるって聞いたから、気になって…」
笹倉は少し驚いた表情で、しげしげと私の顔色を伺っている。
コンビニの袋を差し出されて、受け取ってみればそれはずしりと重くて。
「熱でもでてんのかと思ってゼリーとかスポーツ飲料持ってきたんだけど、元気そうだな」
「あ…そっか。ちょっと出先で貧血で。大事とって店長がお休みくれただけなの。もう元気」
「なんだ。なら、良かったけど。…それはやる」
「あぁ、うん。ありがとう…」
どこか所在無げな笹倉と、私の会話は気まずくて。
思えば当然のことかもしれない。家で顔を合わせるのは、あの日以来なのだから。
笹倉が、すん、と鼻を鳴らした。
「なんか、すげー匂い。何?」
「すげーとは何よ。肉じゃが。今日の晩御飯」
「…え。お前料理するんだ」
失敬な。
心底意外といった表情に、私は頬をむくれさせる。
「ちょっとくらいできるよ私だって。食べてく?」
何げなく、聞いてしまった。
瞬間、また立ち込める気まずさ。
「あー…いや、やめとく」
「…そっか。うん」