恋愛放棄~洋菓子売場の恋模様~
言葉に詰まって黙り込むと、ふん、と鼻で笑われる。
この人、絶対私を好きだったとか無いと思うわ…恨めし気に恵美を見るけど、素知らぬ顔で梱包作業を続けていて。
自分が召喚しておいて、助けてくれないとか、酷いと思う。
「だって、絶対困るじゃないですか。知っちゃったらほっとけないだろうし、なら知らない方が良いと思って…」
唇を尖らせながら、小声で反論を試みる。
が、一刀両断された。
「なんでそれをお前が決めるんだよ」
高いところから見下ろされて、最早俯いてしまった私の目には腕組みされた白シャツしか映らない。
「前に言ったろ。人の気持ちを勝手に決め付けんなって。大体お前ら、身体でばっか語り合ってないでちゃんと口で話せ」
「ちょっと、下品な話にいちいち持ち込まないでよ!」
知らぬふりをしていた恵美が、少し離れたところから勢い良く口を挟んだ。
「…今のどこが下品なんだよ、口うるせぇ」
勢いを殺がれた藤井さんが、覆った口元でそうぼやく。
私はそれを見上げながら、聞いた。
「知らない間に、とか。やっぱり男としては嫌ですか」
「俺に聞いても仕方ないだろ」
答えが深いため息と一緒に落ちてくる。
この人、絶対私を好きだったとか無いと思うわ…恨めし気に恵美を見るけど、素知らぬ顔で梱包作業を続けていて。
自分が召喚しておいて、助けてくれないとか、酷いと思う。
「だって、絶対困るじゃないですか。知っちゃったらほっとけないだろうし、なら知らない方が良いと思って…」
唇を尖らせながら、小声で反論を試みる。
が、一刀両断された。
「なんでそれをお前が決めるんだよ」
高いところから見下ろされて、最早俯いてしまった私の目には腕組みされた白シャツしか映らない。
「前に言ったろ。人の気持ちを勝手に決め付けんなって。大体お前ら、身体でばっか語り合ってないでちゃんと口で話せ」
「ちょっと、下品な話にいちいち持ち込まないでよ!」
知らぬふりをしていた恵美が、少し離れたところから勢い良く口を挟んだ。
「…今のどこが下品なんだよ、口うるせぇ」
勢いを殺がれた藤井さんが、覆った口元でそうぼやく。
私はそれを見上げながら、聞いた。
「知らない間に、とか。やっぱり男としては嫌ですか」
「俺に聞いても仕方ないだろ」
答えが深いため息と一緒に落ちてくる。