恋愛放棄~洋菓子売場の恋模様~
臆病者と彼女の選択
◇
「仕事、辞めようと思うんです」
聞きなれた声が店の奥から聞こえ、店長と二人で話している姿が見えた。
…辞めんのか。
そうか、と引き続き手元の配送伝票の整理をする。
御歳暮関連の配送が多くなってきて整理ボックスが溢れんばかりになっている。
「笹倉さん、在庫整理と商品補充に行ってきていいですか」
そう声をかけてきたのは、俺よりずっとベテランのはずの女性販売員で、自分はパートだからと雑用をいつも率先してくれる。
「いいですよ。俺行きます」
彼女の手にあった、補充商品のメモを手に取って言った。
在庫整理なんか力仕事、男がいる時は任せてくれていいのに。
代わりに、と配送伝票の整理ボックスを託す。
奥から話を終えたであろう三輪さんが店頭へ出てきたのが見えた。
気にならないわけではないけれど、今ここで聞くわけにはいかないし。
本当に辞めるとなれば、店長から人員補充の話となって聞けるだろう。
三輪さんと目が合うこともなく、俺は倉庫へ向かう。
多分、辞めるっつっても今の時期はだめだろうな。
恐らく、バレンタイン商戦が終わるまでは引っ張られるだろう。
「仕事、辞めようと思うんです」
聞きなれた声が店の奥から聞こえ、店長と二人で話している姿が見えた。
…辞めんのか。
そうか、と引き続き手元の配送伝票の整理をする。
御歳暮関連の配送が多くなってきて整理ボックスが溢れんばかりになっている。
「笹倉さん、在庫整理と商品補充に行ってきていいですか」
そう声をかけてきたのは、俺よりずっとベテランのはずの女性販売員で、自分はパートだからと雑用をいつも率先してくれる。
「いいですよ。俺行きます」
彼女の手にあった、補充商品のメモを手に取って言った。
在庫整理なんか力仕事、男がいる時は任せてくれていいのに。
代わりに、と配送伝票の整理ボックスを託す。
奥から話を終えたであろう三輪さんが店頭へ出てきたのが見えた。
気にならないわけではないけれど、今ここで聞くわけにはいかないし。
本当に辞めるとなれば、店長から人員補充の話となって聞けるだろう。
三輪さんと目が合うこともなく、俺は倉庫へ向かう。
多分、辞めるっつっても今の時期はだめだろうな。
恐らく、バレンタイン商戦が終わるまでは引っ張られるだろう。