恋愛放棄~洋菓子売場の恋模様~
「…いいも何も。狭山も、俺と離れたがってたんだし。これでいいんだろ」
恵美ちゃんの目は鋭すぎて、俺はまっすぐ進行方向だけを見た。
それにだ、第一。
俺は、許されないことをした。
狭山は、何もないように、平気な顔をしていたけれど。
恵美ちゃんにはきっと、何も言ってないんだろうけれど。
「俺、傷つけちゃったしな。そんな資格端からないんだよ」
あの捕物騷ぎで、帳消しにできたなんて思ってない。
力でねじ伏せた、あの行為を。
「…瑛人君が」
地を這うような声がした。
睨み上げる瞳が、涙で潤んで見える。
「そんな、ヘタレだなんて思わなかった。臆病者」
なんで、そんなに俺と狭山にこだわるんだか。
俺のしたこと、知らないから言えるんだろ。
でも。
臆病者には、違いない。
彼女の言葉には答えないまま、倉庫に着いた。
それ以上は話す必要も見つからず、それぞれの店舗の在庫スペースへと向かう。
山積みにされたダンボールの、中身の個数を確認し在庫整理する、その作業に没頭した。
数を数えるのは、良い。
余計なことを考えずに済む。
恵美ちゃんの目は鋭すぎて、俺はまっすぐ進行方向だけを見た。
それにだ、第一。
俺は、許されないことをした。
狭山は、何もないように、平気な顔をしていたけれど。
恵美ちゃんにはきっと、何も言ってないんだろうけれど。
「俺、傷つけちゃったしな。そんな資格端からないんだよ」
あの捕物騷ぎで、帳消しにできたなんて思ってない。
力でねじ伏せた、あの行為を。
「…瑛人君が」
地を這うような声がした。
睨み上げる瞳が、涙で潤んで見える。
「そんな、ヘタレだなんて思わなかった。臆病者」
なんで、そんなに俺と狭山にこだわるんだか。
俺のしたこと、知らないから言えるんだろ。
でも。
臆病者には、違いない。
彼女の言葉には答えないまま、倉庫に着いた。
それ以上は話す必要も見つからず、それぞれの店舗の在庫スペースへと向かう。
山積みにされたダンボールの、中身の個数を確認し在庫整理する、その作業に没頭した。
数を数えるのは、良い。
余計なことを考えずに済む。