恋愛放棄~洋菓子売場の恋模様~
◇
よいしょって掛け声と同時に、一番大きなダンボールをカートから降ろす。
洋菓子のギフトセットは、ダンボールに纏めて詰まってるとかなりの重さになるのだ。
若くして腰を傷める人も少なくない。
何より、可愛い制服の下の二の腕は、皆一様に逞しかったりする。
今日早番の私は、朝の納品チェックを済ませて倉庫で在庫整理中。
倉庫内は細かく店舗ごとに区切られていて、隣のスペースが笹倉の店。
同じく早番だった彼と鉢合わせた。
「隣の店長に聞いたらね、今日は恵美は遅番らしくて。仕事上がりまで待って、従業員出口で奇襲かけようと思うんだけどどう思う?」
「どう思うって。言われてもな」
小心者の私は、昨日母に背中を押してもらったのにも関わらず、ここでもうひと押しを狙っていた。
「つぅか、なんで喧嘩したんだよ」
「んん…」
聞かれたけれど、ここではいつ人が近くにくるかわからないので話す訳にもいかず、言葉を濁す。
「今日、昼休憩外行く?」
言いづらい空気を察してくれたようで、私は、小さく頷いた。
「昼、多分12時にいけるよな。どうせ暇だし」
閑散期の平日だ。万が一忙しくてもたかがしれている。
時間を合わせるのも難しくない。
12時に出入り口で待ち合わせて、開店準備の為それぞれ仕事に頭を切り替えた。
よいしょって掛け声と同時に、一番大きなダンボールをカートから降ろす。
洋菓子のギフトセットは、ダンボールに纏めて詰まってるとかなりの重さになるのだ。
若くして腰を傷める人も少なくない。
何より、可愛い制服の下の二の腕は、皆一様に逞しかったりする。
今日早番の私は、朝の納品チェックを済ませて倉庫で在庫整理中。
倉庫内は細かく店舗ごとに区切られていて、隣のスペースが笹倉の店。
同じく早番だった彼と鉢合わせた。
「隣の店長に聞いたらね、今日は恵美は遅番らしくて。仕事上がりまで待って、従業員出口で奇襲かけようと思うんだけどどう思う?」
「どう思うって。言われてもな」
小心者の私は、昨日母に背中を押してもらったのにも関わらず、ここでもうひと押しを狙っていた。
「つぅか、なんで喧嘩したんだよ」
「んん…」
聞かれたけれど、ここではいつ人が近くにくるかわからないので話す訳にもいかず、言葉を濁す。
「今日、昼休憩外行く?」
言いづらい空気を察してくれたようで、私は、小さく頷いた。
「昼、多分12時にいけるよな。どうせ暇だし」
閑散期の平日だ。万が一忙しくてもたかがしれている。
時間を合わせるのも難しくない。
12時に出入り口で待ち合わせて、開店準備の為それぞれ仕事に頭を切り替えた。