恋愛放棄~洋菓子売場の恋模様~
席に戻った私は、きっと不自然なほど無表情だったのだと思う


瑛人君が、何か感づいたようで私を見るけど
私は視線を合わせなかった。


向かいに座っていた三輪さんも、藤井さんがいなくなってから小西くんたちの話に混じっていて


私は、輪には入らずに携帯チェックをしている振りをする。


さっきから
みさが戻らなくて藤井さんもいなくなったあたりから
瑛人君はずっと落ち着かない


他の会話を振り切って
瑛人君が近づいてくる



「狭山、居なかった?」

「さぁ、知らない」

「……仲直りしたんじゃなかったのか?」

「瑛人君には関係ないよ」



少し無言が続いて、立ち去ろうとする気配がした。



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