恋愛放棄~洋菓子売場の恋模様~
◇
テーブルの上で、携帯がバイブ音と一緒に滑ってる。
お風呂上がりで、ミネラルウォーターを飲みながら着信に気づいた私は、拾い上げて着信表示を見る。
「あれ」
また、母親かと思ったら笹倉だった。
最後にもう一口含んで飲みこんでから、ボタンを押す。
「もしもし?」
「あ、出た」
「出るよ。出ないと思ったならなんでかけるの」
まだ寝入るような時間でもないのに。
おかしな会話に、くすりと笑う。
「いや、もしかしたら一人じゃないかもな、と思ったからさ」
あぁ。そういうことか。
笹倉にしては、珍しいことを気にするな、と思った。
彼はいつも、私が誰と遊んでようと気にしない。
「だったら出ないけどね。誘ったら振られた」
「やっぱ誘ったのか」
ははっと短く笑う乾いた声。
振られてやんの、て付け足されて、速攻きってやろうかと思った。
テーブルの上で、携帯がバイブ音と一緒に滑ってる。
お風呂上がりで、ミネラルウォーターを飲みながら着信に気づいた私は、拾い上げて着信表示を見る。
「あれ」
また、母親かと思ったら笹倉だった。
最後にもう一口含んで飲みこんでから、ボタンを押す。
「もしもし?」
「あ、出た」
「出るよ。出ないと思ったならなんでかけるの」
まだ寝入るような時間でもないのに。
おかしな会話に、くすりと笑う。
「いや、もしかしたら一人じゃないかもな、と思ったからさ」
あぁ。そういうことか。
笹倉にしては、珍しいことを気にするな、と思った。
彼はいつも、私が誰と遊んでようと気にしない。
「だったら出ないけどね。誘ったら振られた」
「やっぱ誘ったのか」
ははっと短く笑う乾いた声。
振られてやんの、て付け足されて、速攻きってやろうかと思った。