恋愛放棄~洋菓子売場の恋模様~
切らないけど。



「思ったより元気そうだな」

「んー…めっちゃ泣いたら、少し冷静になった。恵美から聞いたの?」

「恵美ちゃん、様子おかしかったしな。…何かあったようなことは藤井さんから聞いた」

「恵美、大丈夫だった?」

「どうかな、ちょっと動揺はしてた」



ソファにぽすんと腰を落とした。
彼も私も暫く無言だった。


部屋の時計の、秒針の音。
携帯電話の向こうから、時折車の通る音。


まだ、外なんだ。
そっか。



「大丈夫か」

「何が?」

「寝れそう?」



はは。


なんでこの人は。
私のことがよくわかるんだろう。



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