恋愛放棄~洋菓子売場の恋模様~
「笹倉は、なんも聞かないのに、的確だよね」
「弱ってる時、一人だと寝れないだろうと思って」
そこで少しの間を生まれ、吐息のような雑音が二人の間を流れていった。
「今、家の前」
「あ、ごめん。もう家か」
「お前んちの前」
え、と小さく零して、ソファの後ろにある窓を開けた。
なんでこの人は、いつも私を甘やかすんだろうか。
窓の外、アパートを囲う塀の向こうから。
携帯を耳にあてて立っている彼がいた。
頭を過ぎるのは
『弱ってるとこに付け込むような抱き方するのは好きじゃないからな』
そんなセリフと、意地悪な顔で。
「家、行ってもいい?」
笹倉の声を上の空で聞きながら
『笹倉と、真剣に付き合ってみれば?』
そう言った恵美の笑顔が浮かんで消える。
「弱ってる時、一人だと寝れないだろうと思って」
そこで少しの間を生まれ、吐息のような雑音が二人の間を流れていった。
「今、家の前」
「あ、ごめん。もう家か」
「お前んちの前」
え、と小さく零して、ソファの後ろにある窓を開けた。
なんでこの人は、いつも私を甘やかすんだろうか。
窓の外、アパートを囲う塀の向こうから。
携帯を耳にあてて立っている彼がいた。
頭を過ぎるのは
『弱ってるとこに付け込むような抱き方するのは好きじゃないからな』
そんなセリフと、意地悪な顔で。
「家、行ってもいい?」
笹倉の声を上の空で聞きながら
『笹倉と、真剣に付き合ってみれば?』
そう言った恵美の笑顔が浮かんで消える。