堕天使~迷い~
砂の城
冬の砂浜
両手いっぱいに砂をかき集める
一生懸命
一生懸命
自分のスペースだけを
自分の居場所だけを作る
疎外されてもいい
愛されなくてもいい
なぜなら
自分がそうしたから
悲しみに付入るように
風が全身に突き刺す
それでも
涙で濡れた手で
砂を固める
世間のざわめきのような大きな波が
影を作って私を襲う
いっきに浚われた砂の城
ざわめきが去った砂浜には
何も
残らない