【短編】狼少女と先生と。
「仕方ないな。」
挑戦的かつどこか
怯えた目で俺を見る彼女。
簡単にはいうことなんて
聞きそうにないな。
能力を使うしかないか。
「‘俺と一緒に教室に行こうか。
連れて行ってくれる?’」
俺に縛られろ・・・。
「ふ、ふぬぅ・・・。」
効いているな。
彼女の瞳から意思が消えた。
かと思いきや。
「嫌だ!
うっとおしいんだよ!」
完全に油断した。
彼女は俺の〈縛り〉から逃げて
走り去っていった。