【短編】狼少女と先生と。
「明日香ねぇ・・・。」
「今日も来た瞬間に逃げたって。
早速指導部に目付けられてた。」
「だろうな。」
「空也、その子とは関わるな。」
「連覇、何でそんなこと言うんだ?」
「分かってんだろ。
お前、鈴さんと重ねてるんじゃないか?」
空也が俺の前以外で本心を
見せなくなったのは、あの時からだ。
昔のお前に戻ってほしいんだよ。
「心配すんなって。
教師として興味があるだけだ。」
「ならいいけど・・・。」
嘘ついたな。
お前は嘘をつくとき俺の目を見ない。
普段はまじまじと見てくるくせに。